国際学会で発表を行う、学会誌に論文を掲載する、など、抄録の作成を求められることが多くあります。
論文が日本語でも、タイトルと抄録(アブストラクト)だけは英語で作成するよう指示があることも多くあります。
そのような場合、日本語の抄録をそのまま英語に翻訳する作業が必要となりますが、ここで注意したいのが、語数制限です。
投稿する先(雑誌、学会など)には規定があることがほとんどで、英文、和文ともに長さが決まっています。
例えば、英語400ワード以内、などなど・・・
細かいところでは、フォントの種類や大きさ、余白部分にまで指示が及ぶこともあります。
今日は語数制限に的を絞ってお話します。
では、400ワード以内の英文抄録をつくるには、何文字程度の和文抄録を作成すればよいのでしょうか?
実は・・・正直なところ、これは実際に英訳をしてみないとはっきりとはわかりません。 そこに関係してくるのは、専門用語など、固有名詞の存在です。
表現を簡潔にたりして、できるかぎり制限内に収まるよう工夫します。
しかし、固有名詞は、決まった言葉であるので、通常は、崩すことができずそのまま使用するしかありません。
ですので、専門用語、固有名詞、数値などが多く含まれる抄録は、ワード数削減が難しく、翻訳してみないとわからないという場合が多いのです。
特に、医学分野や臨床分野は多い領域の1つです。
と、このままですと、和文原稿を作成されるのに困ってしまいますね・・・
大体の目安はあります!しかし、あくまで大体の目安です。
作成したい英語ワード数の2倍強くらいの文字数で作成されると、制限内に収まる可能性がより高いのです。
例えば、英語400ワード以内にしたい場合は、日本語800文字~850文字程度 という感じです。
重複しますが、これはあくまで目安です。
固有名詞や情報量などによっては、上記の文章量で日本語原稿を作成しても、制限内に収まらない、ということもあり得ます。
お忙しい日常の中でご準備いただくことは大変であると思いますが、
できる限り納期に余裕をもって御発注などされることをお勧めいたします。
最後にもう1つ、学会誌に投稿される場合などは、著作権の規定が必ず存在します。
著作物の翻訳や編集を他機関に依頼する場合も、翻訳に対する規定もありますので、
著者の権利などについて掲載予定の雑誌や委員会の規定などをしっかり御確認いただくことをお勧めします。
掲載が決まってからトラブルとなってしまっては大変です!
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ご心配なことやご要望がありましたらお気軽に何でもご相談ください!